COLUMNそして、もう一つ、なぜシルバー、銀に惹かれたのか?
シルバーアクセサリーブランドを作りたいと思うようになったのか?
それは、極めて単純な私だからこそ、本能的に感じ取っていたと思う。
ここから、露木 宏著 『神々の宿る銀 世界の装身具図鑑』から、引用をさせて頂く。
シルバーの持っているもの、人はなぜ銀の装身具で身を飾ってきたのか?
信仰宗教の証、邪を払う、綺麗の装う、財産、民族のアイデンティティとしてというのが、銀の装身具で身を飾ることのようだ。
シルバーの持つ、魅力は、世界中の歴史の中に見ることが出来る。
シルバーには、浄化作用があるとされている。
身を守り、幸せをもたらす銀
イスラム文化圏では、金は太陽、銀は月の光を意味し、静寂であり、浄化を意味する。魂を浄化する神聖は金属とされ、銀で作った装身具を大切にする伝統が残っている。また銀の装身具には邪悪なものから、身を守る力や幸せを呼び込む力があるとされている。
ヨーロッパでは、銀は幸運をもたらすもので、外出の時に靴の中に6ペンス銀貨をれてお守りにする習慣がかつてあった。
銀の価値は美しさにある
白い輝きの銀は、美しい光沢を持った金属の代名詞として、古来人々を魅了してきた。経済的価値は金にかなわない銀も、「美しさ」という価値では優劣はなく、まったく対等だ。
銀を美しいと感じるには、その色に依るところが大きいと思うが、それらが発する強い輝きも見逃せない。銀は可視光線(人間の目に光として感知できる電磁波)の反射率がもっとも高い金属でその反射によって白く輝く。どのくらい輝きが強いかを同じく貴金属のプラチナと比較すると、銀の可視光領域では反射率は91%に対して、プラチナは69%と言われている。反射率が高いということが明度(色のもつ明るさ)が高いということであって。この数字から見ても銀の白色光沢が際立っていることが分かる。
銀の装身具を魔除けのお守りとする民族は世界に沢山いる。彼らが反射率という金属の物理的性質を理解していたわけでないのでしょうが、経験的に、邪悪なものをはね返すには強く輝く銀が最適ということを知っていたのでしょう。
どんな金属よりも体にやさしい銀
銀は体に優しい貴金属です。殺菌や抗菌効果が強いため、浄水器の滅菌装置に使われたり、鍼治療の鍼にも銀を含む材質のものが使われている。
銀はもっともアレルギーが少ない金属である。
最適効果や抗菌効果に優れ、金属アレルギーになる憎いというのは、他の金属にや金属に見られない銀の大きな特質だ。
日本の銀
日本は着物文化だったため、装身具を見につける文化はごく少なく、キセルや根付、かんざし、帯留めくらいしかなかった。 16世紀頃、日本は銀の産出国であり、世界の3分の1ほどを産出しており、岩見銀山をはじめ、銀山の開発が盛んだった。日本は銀が豊富であり、身近な金属ではあった。
『神々の宿る銀 世界の装身具図鑑』露木 宏著
露木先生の書籍に読んで、私は男性のアクセサリーの仕事をなぜやりたくなったのか?を、掘り下げて考えてみることが出来た。入口のヒントや、出口、先を見ることが出来た。